第5章
それからの数日間は、何かが違っていた。
川端海斗は相変わらずレッスンに来た。私が教えることすべてを吸収していった。だが、私たちの間には以前にはなかった、どこか用心深い空気が漂っていた。
彼は私のことを、丸幸ではなく、再び藤井さんと呼ぶようになった。
トレーニングの後にお喋りをして長居することもなくなった。
温室のそばを通りかかっても、植物について質問することは断じてなかった。
武田拓也が何かに毒を盛ったのだ。川端海斗に、あらゆることを疑わせるように。
金曜日、私はもう我慢ならなかった。
「温室まで付き合ってくれ」
テンペストの手入れを終えた後、私は言った。
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