第4章

 アレクサンダーは、エヴリンの大好物の苺のケーキを提げ、邸宅の玄関扉を押し開けた。

 この三日間、ソフィアは絡みつく蔦のように彼にまとわりついてきた。電話にメッセージ、ひっきりなしの連投。うんざりするほどだ。

 以前は、ソフィアには自分が必要なのだと思っていた。だが今は――息が詰まる。

 それよりも、エヴリンの静かな寄り添い方が、いつの間にか頭から離れなくなっていた。

 彼女は決して行き先を詮索しない。夜中に執拗に電話をかけてくることもない。冷たくしても、癇癪を起こして泣き喚いたりしない。

「エヴリン?」アレクサンダーは声を張った。「おまえの好きな――」

 言葉が、そこで途切れた...

ログインして続きを読む