第7章

エヴリンの視点

 三年ぶりに見た彼は、ひどく痩せていた。目には赤い筋が走り、顎には無精ひげ。

 それでも、灰青色の瞳だけは昔のまま――いま、ドミトリが私の手を握っている、その一点を刺すように見つめている。

「お前は誰だ」

 ドミトリが立ち上がり、私の前に立ちはだかった。

「彼女の夫だ」

 アレクサンダーが、一語一語噛みしめるように言う。

「元、ね」私は氷みたいな声で訂正した。「アレクサンダー、ここで何をしてるの?」

「連れて帰る」

 彼が一歩、距離を詰める。

 ドミトリが即座に遮った。

「彼女は断ったんだ」

「どけ」

 アレクサンダーの目が冷えきる。

「ドミトリ・...

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