第149話彼女の個人的な夢の中で

浴室から出て身支度を整えたところで、扉がノックされた。ベラドンナが勢いよく扉を開けると、そこにはアノクが立っていて、手にはエリが「渡す」と約束していた絵が抱えられていた。

「おはようございます、奥方様。陛下より、こちらをお届けするよう仰せつかっております」

ベラドンナはにやりと笑い、壁に掛けるのを手伝ってちょうだい、とアノクに頼んだ。

赤い色ばかりが満ちたこの部屋に、違うものが増えるのはいい。生き生きとしていて、生命の匂いがするものを。昨日はそれほど好きではなかったのに、今日は不思議と感じ方が違い、妙に心を惹かれた。たぶん、それに添い付く記憶のせいだ。

見た目がどうこうというより、記憶...

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