第164話願い事へのお願い

ラケルは跳ね起きた。だが、そのままでは二本の足で立っていられるはずもなく、すぐ壁に身を預ける。そうでもしなければ、倒れてしまう。

いま、意地を張っているつもりなのか?

ケストラの胸の内で怒りが荒れ狂った。

こんなことに構っている暇はない。正確には、いまこの瞬間に、無駄な駆け引きはもちろん、あらゆる交渉に費やす時間など一切ない。

魂が自ら進んで差し出されるか、相応の交換――しかも当人の同意が伴う形で――横たえられねばならないのではなければ、ケストラはとっくに奪っていた。

「コリンが、待てって」ラケルは荒い息を吐き、肩で呼吸していた。壁に手をつく指先が震えている。「急ぐと。落ちる。だめ。...

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