第199章-(愛の)

ピアノ室に忍び込むのは拍子抜けするほど簡単だった。エリは鍵を掛けていなかったのだ。

耳には素晴らしい旋律が届き、同時に、エリの机の上に置かれた――裸の彼女の絵が視界を楽しませた。下着の中に手を入れ、腿を少し開き、その背後にエリがいる。そんな絵だった。

彼女はごくりと唾を飲み、目を逸らした。

そこにあることを、すっかり忘れていた。

曲が止み、エリは立ち上がっていた。ゆったりした灰色のシャツに、同じく緩い灰色のズボン。どこか肩の力が抜けて見える。

それに、いい匂いがした。土の匂いのような、あの感じ。さっき風呂に入ったばかりなのだろう。

落ち着く匂いだった。

「何か用?」彼の目は油断な...

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