第210章-ギブ・アンド・テイク・サイトー

カチリ。

その音を合図に、ベラドンナの内側で何かが爆ぜた。

怒り。

シュッ――!

彼女は視界も定まらぬまま、ドレスの内に隠していた短剣を後方へ投げ放った。刃は宙を切り、魔女をわずかによろめかせたものの、氷が武器の周囲に瞬く間にまとわりつき、短剣は空中で押し潰されるように砕け散って、粉雪めいて二人の背後の床へと降り注いだ。

「愚かな子だ」魂の魔女は歯を食いしばった。だが次の瞬間、ベラドンナはふらつきながらも立ち上がり、目の前の泥水のたまりから掴み取っていた濡れた小枝を、魔女の顔へ横一文字に叩きつけた。

濡れた枝切れで、何ができるというのだ。

それでも彼女は必死だった。手近にあるもの...

ログインして続きを読む