第240章-秘密の危険((ボーナスチャプター))

首に回された彼の手から力が抜け、彼女はその場に崩れ落ちた。せき込みながら、彼が二、三歩あとずさるのを見た。床の上で空気を求めてあえぎ、自分から奪われたものを取り戻そうともがく彼女を、彼はただ見下ろしていた。

「エ……リ……」

「黙れ!」

その一言が、彼女の中で何かをぷつりと断ち切った。彼女は顔を上げ、自分が愛した男を見つめた。

どうして……?

「お前の唇から、私の名を聞きたくない」

呆然としたまま、彼女はゆっくりと立ち上がった。彼の冷たい視線が、ずしりと重くのしかかる。

再び口を開いた彼の声は、命を奪う刃のようなささやきだった。

「花嫁泥棒の毒にまみれた教えを、私に繰り返して聞...

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