第26章-ほとんど楽しい一日

「どうしてその場所のことを知っていたの?」

「わ、私――」彼女は唾をのみこんだ。「本で読んだの」

「なるほど、きっと王が君に贈った本のどれかだろう。その中に載っていたに違いない」

「ええ、そう、そうです!」彼女はあわてて何度も頷いた。夢でもそこを見た、だなんてどう説明すればいいのだろう。そんなことを言ったら、完全に頭のおかしい人間だと思われてしまう。「それに、わ、私の村の図書庫にある本でも」

「イナイミで?」

「はい」

「そうか。まったく、本好きのかわいいお嬢さんだこと」

またその呼び名だ。妙な気分にさせられる。けれど、今はもっと大事なことに意識を向けなければならなかった。

二...

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