第266話月を引く

注意喚起――血みどろとまでは言えないが……まあ、そういう内容だ。



地下牢の門が乱暴に開け放たれ、不運な囚人たちが選び出された。

その中には、生まれて間もない赤子がいた。母の胎から出たばかりで、まだ血に濡れたまま。産声が死んだ夜と悪臭のこもる牢獄に響きわたり、闇を震わせた。

弱りきり、後産の痛みに押しつぶされそうになりながら、母親は王の魔女に懇願した。どうか自分を代わりに連れていってくれ、と。

盲いた銀の瞳に射抜かれた瞬間、新しく母になった女の背筋を冷たいものが走った。額には赤い光がうっすらと灯り、それがなおさら恐ろしい。魔女は彼女の上に影のようにそびえ立ち、もし...

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