チャプター2_-医者を呼ぶよ

やがて夜は明けた。だが、ベラドンナの城からの脱出は、思い描いていた通りには進まなかった。

「そんなに離れていたら、どうやって君を誘惑すればいいんだ?」荷物をまとめた袋を傍らに置き、出ていきたいのだと告げたとき、アラリスはそう言った。

「その気になれば、いつでも飛んで来られるでしょう」彼女は肩をすくめた。

本当なら、わざわざアラリスに話しかけになど来ず、そのままさっさと立ち去るつもりでもよかった。だが、それが愚かなやり方だということくらい、彼女にもわかっていた。そんなことをすれば、彼は彼女が攫われたと思い込み、捜索を始めるに決まっている。担い手とのあいだにある繋がりは、彼にとって、それほど...

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