第68章-アンヴェール (MR 1)

「私も……ごめんなさい。あなたをこんな目に遭わせたのは、私のせい」

彼は笑った。自らの炎で灯した松明が、洞窟の壁に掛けられた場所で、ちろちろと心細く燃えているのを眺めながら。「そうだな。俺には、身から出た錆だった」

それきり言葉は途切れ、彼女が洗い終えて、切り傷に軟膏を塗りはじめるまで、ふたりは何も口にしなかった。

「母上は、よくこうしてくれた」彼は安堵のため息をつき、短く目を閉じた。

「この界の、お母さまが?」

「ああ」彼は間を置いた。「母上は“導き手”だった」

「導き手って?」

「門を作れる者だ」

「でも、この界の方だって言ってたでしょう?」

「正確には、この界の者ではな...

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