第70章-アブダクション (MR3)

心臓が激しく脈打った。

手袋越しとはいえ、彼の触れ方をいやというほど意識してしまう。

「たぶん、私の頭の中に置き去りになってる花嫁って、あなたを殺したがってる連中ばかりだからよ」

彼の目に、昏い光がきらりと走った。

「君は僕に死んでほしいのか、ドナ?」

かつて胸の内にずしりとのしかかっていた重みは、いまもそこにあった。けれど、以前ほどの重さではなくなっていた。

彼に向けていた怒りも、もう昔のように視界を塞ぐほどではなかった。

いつのまにか、何かが変わってしまっていた。

「いいえ」

彼の目に火花のようなものが灯る。

「あなたに死んでほしくなんてないわ、イーライ」

彼は低く喉...

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