32-奇妙な好意

「気を楽にして、アニヤ。あなたの気持ちはわかるわ。でも、わたしは兄に何も言っていない。どうしてそんなことをする必要があるの? わたしはあなたを助けようとしていたのよ」

アニヤがとうとう言い争いをやめ、息子のもとへ行けるよう力を貸してほしいと懇願し始めるまでには、何度か激しい応酬が続いた。

「彼がわたしから息子を奪ったの。お願い、息子を取り戻すのを手伝って」

いくらオアナが王女とはいえ、イクルスのように絶対的ではなくとも、ある程度の力は振るえるはずだった。少なくとも、そうであってほしかった。だが、オアナの茶色い瞳に宿るものは、何ひとつ約束してはくれなかった。

まさか、本当に何もできないと...

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