44-心の決断

アニヤはまばたきをし、戸惑った。だがすぐに、掛け布が体からずり落ち、眠っているあいだに胸がブラウスからこぼれ出てしまっていたのだと気づいた。彼女は慌ててそれをしまい込み、服を整えた。

衛兵に部屋まで送られたあと、乳を搾ろうと支度を始めたのだが、どういうわけかそのまま眠ってしまったらしい。

ウラはもう行ってしまったに違いない。

アニヤは床に倒れている男を助けようと、ベッドから降りた。手を差し伸べると、男はそれを取ったが、視線だけは床に落としたままだった。

「あなたは誰?」

「お、オメガです。召使いで……何も見ていません――」

「顔を上げても大丈夫よ」

男はおそるおそる顔を上げた。額...

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