72-楽しい瞬間

「本気でおっしゃっているのではないでしょう」

「本気よ」

「姫様?」

「アニヤ」彼女はそう言い直した。

「姫様」驚きはなおも彼の目にありありと浮かんでいた。かすかな疑いも混じっている。まるで、こんなことが本当に起きているとは信じられず、自分の目も頭も自分をだましているのではないかと思っているかのようだった。

「アニヤ」彼女は自分を指し、それから彼を指した。「シオン。そんなに難しいことじゃないわ。友達よ」

彼はしばらくぽかんと彼女を見つめ、それからようやく、ぱっと笑みをこぼして勢いよくうなずいた。「いいですね。とてもいい」両手の指を組み合わせ、次の瞬間にはほどく。「月に誓って、今どう...

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