77-憎しみが高まる

アニヤはゆっくりと寝台から身を起こし、扉を見据えた。

意識はシオンへと飛び、彼が夜驚に襲われて目を覚まし、廊下をさまよい、前と同じように来て自分を救ってくれればいいのに、と声もなく願った。

身勝手な願いだ。だが、今は思いやりなど持ち出している場合ではない。

つま先立ちで扉へ向かおうとした、その瞬間、イクルスがこちらを振り向いた。まだ赤い目をしたまま、男よりも狼に近い姿へと移りかけている。

口を開き、命乞いをしようとした。だが、声が出ない。

一瞬で彼は目の前にいた。首に回された手――爪がかすかに皮膚へ食い込む。

恐怖と痛みで息を呑んだ。だが、本当の戦慄が心臓を握りつぶしたのは、彼が顔...

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