78-もう一つの混乱

『竜の領域』

「エリって、誰?」

すべてを変えてしまったその問いを、ベラドンナが口にしてから三日が過ぎていた。

いまや確かだった。エリにまつわる記憶を無理に掘り起こそうとしたせいで、彼女は彼が誰だったのかを忘れてしまったのだ。思い出させようとし、心にかろうじて残っていた欠片を救い出そうとした試みは、状況を悪化させただけだった。

彼女は何度も意識を失った。そのたびにアラリスは苛立ちを募らせ、やがて誰もが、もうこれ以上彼女に彼を思い出させようとはしないと決めた。神官は、彼女の精神が回復してからならもう一度試せるかもしれないと提案した。するとニカが、待ってましたと言わんばかりに甲高い声で言っ...

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