87-不本意なサードホイール

【ライカンの領域】

アニヤがウリ祭に着いてまず気づいたのは、自分と同じようにヴェールをまとい、顔に描いた傷痕を施した女たちが大勢いることだった。仮装をした者たちはそれを武器に周囲を怯えさせ、悲鳴が太鼓の乱打や甲高いうなり声、そして歌声の渦の中へと溶け込んでいく。空気そのものが騒めきで満ちていた。

オアナは不愉快そうにして、仮装と顔の彩色を作っている天幕をすぐに見つけ出した。エルドリックと護衛を何人か呼びつけて天幕を叩き潰し、持ち主を地下牢へ引きずっていきたい――そんな勢いだったが、アニヤは反対した。侮辱されたとも思わなかった。むしろ、自分の真似をして他人を怖がらせようとするのが可笑しかった...

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