130-あなたは誰?

ベラドンナは素早く血の短剣を彼めがけて放ち、もし効かなかったときのために瓶へ手を伸ばそうとした。いま使えるとわかった自分の魔法は木にしか効かない――そんなものをここで使って気を失いでもしたら、それこそ愚かの極みだ。ほんの小さな傷ひとつで十分だと、彼女は知っていた。血の短剣が相手の命を吸い尽くしてくれるはずだった。

だが、不運にも血の短剣は彼にはまるで効かず、床へと落ちた。

イグナスよ、なんてこと……!?

それならそれで構わない。彼女はすでに瓶の栓を外しかけていた。

だが、盗賊どもを焼き尽くし、灰へ変えたあの手で、彼は彼女の両手をつかんだ。

驚いたことに、その手もまた彼女には何の効果も...

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