第57章-毒の血

彼女は手に鋭い灼けつくような痛みを覚えた。

うめき声が唇から漏れ、王から身を引こうともがく。するとそれを見た王は、すぐさま一歩退いた。

視線がドレスの長い袖へと走る。赤い液体が、みるみる黒へと変わりながら布地に滲み、触れた肌を焼いたのだ。

彼女は痛みに歯を食いしばり、噴水へ辿り着いてその水に手を突っ込めば楽になる――その約束めいた期待にすがって、必死に身を動かした。

皮膚のその部分が燃えているようだった。

熱い、熱い……!

だが王が行く手を塞ぎ、開いた小さな瓶を素早くもう片方の手にねじ込んできた。

「飲め」命令だった。

追い詰められ、考える間もなく、彼女は瓶の中身を一息に飲み干...

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