第60章-マインドコントロール

「ずっと昔に、自分自身に誓ったことがあるの。結婚するまでは、その人とそういう関係にはならないって。この世界に生まれてくるかもしれない子どものために」

王の視線は彼女に据えられていた。

燻るような茶色の瞳。

その眼差しは、彼女を不思議と安心させた。

それから彼女は目を伏せ、左の手のひらの内側をこすっている自分の拳骨を見つめた。

「その子には、守りと愛情があってほしいの。結婚は、その保証になるでしょう。望まれず、愛されずに終わってほしくない……私みたいに」

だからこそ、彼女とリティオのあいだには何も起こらなかった。

彼女は待っていたのだ。

その選択を、後悔したことは一度もない。

け...

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