第74話ラクエルの違った影

ノックの音。

ようやく浴室から出て、飾り気のない絹の金色のエーラインのドレス――青い意匠のレースが襟もとを縁取っている――に着替えたベラドンナは、いつものようにラケルが来たのだろうと思いながら扉を開けた。だが、そこにいたのは衛兵たちだった。手にはそれぞれ違う箱を抱え、それをいくつも積み上げていて、一部は顔が隠れてしまうほどの高さになっている。

もともと兜をかぶっているだけでも十分に不自由そうだというのに。

いったい何事なのだろう。

「お目覚めでしたか、レディ。よかったです」ラケルがにっこりと笑った。

「これはどういうこと?」

「昨夜、皆さまから贈られた贈り物です。どうか、中に入って...

ログインして続きを読む