第96章-炎の爆風

彼女は一歩後ずさりし、さらにもう一歩下がったところで足をもつれさせ、そのまま仰向けに倒れた。

手が床の上をさまよった。何でもいい、身を守る助けになるものを。あまりにも無防備すぎるこの状態から逃れたくて、彼女は自分でも口に出るとは思っていなかった名を、かすれた声でつぶやいた。

「アラリス……?」

「分かってる。じっとしていろ。そうすれば、もしかしたらあいつも消えるかもしれない」

彼の声は位置を変えていた。今は彼女の前にいるらしい。彼女と竜のあいだに立ちはだかるように。

そのことが、妙な安堵をもたらした。彼がまだここにいて、自分の盾のように立ってくれている――そう思うと、ほんの少しだけ救...

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