第7章

木曜日の朝、午前八時。

私は皿をそっとテーブルに置いた。おにぎりと味噌汁――良平の大好物だ。

「勤務にはエネルギーがいるでしょ」と私は言った。

良平はスマートフォンから顔を上げた。

「できた妻だな」彼は微笑んだ。「あの弁護士の件、君もようやく目が覚めたと思ってたよ」

完璧だ。彼はリラックスしている。

私は続けた。「今日、玲子にメッセージを送るつもり。もう私たちを煩わせないでって」

良平の手が止まった。「具体的に、なんて言うんだ?」

「私は幸せだって。自分で選んだ道だって」私は彼の目を見た。「玲子は桜島に帰るべきだって」

彼はテーブル越しに手を伸ばし、私の手を握...

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