第6章
三年後、東京。
下北は国際建築デザインコンテストの授賞式で、客席に座り、スポットライトを浴びる舞台中央の姿を穴のあくほど見つめていた。
ゆきだ。
だが、ゆきではないようにも見えた。
すっきりと切り揃えられたショートヘアに、身体のラインに美しく沿う白いスーツ。洗練されたメイクと、自信に満ちた鋭い眼差し。建築界最高の栄誉であるAIAゴールドメダルのトロフィーを両手に抱え、舞台に立つ彼女は、全身から眩い光を放っていた。
「私のチームに、そして、瓦礫のなかにあっても決して再建を諦めなかった私自身に、感謝します」
マイク越しに会場の隅々まで響き渡ったその声は、冷ややかでありなが...
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