第4章

 セバスチャン

 まだ手が震えている。

 ここから逃げ出さなければ。

 イサドラが彼女の「用事」を片付けている留守を狙い、私は震える体に鞭打って宮殿を抜け出した。頭は割れるように痛み、一歩踏み出すごとにナイフの刃の上を歩いているかのようだ。だが、ここに留まれば事態が悪化するだけなのは分かっていた。

 太い樫の木立に佇むこのカフェは、時折王族も利用する場所だ。普段は閑散としており、今日の私にはまさにその静けさが必要だった。考えをまとめ、自分がどんな地獄に足を踏み入れてしまったのかを整理する必要があった。

 重い木製のドアを押し開けると、馴染みのあるコーヒーの香りが鼻をついた。他の客か...

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