第6章

セバスチャン

クリスタルのシャンデリアが舞踏会ホール全体に暖かな光を投げかけ、会場はさながら精巧な黄金の鳥籠のようだった。私は円卓でこわばったように座っていた。手にしたシャンパンはとうに泡が抜け、今の私の気分――平板で生気のない――そのものだった。

「あなた、少し緊張しているみたいね」イサドラが私の手の甲を優しく撫でた。深い青色のイブニングドレスをまとった彼女は今夜ひときわ輝いて見え、そのドレスはわずかに膨らんだ彼女の腹部を完璧に際立たせていた。

手を引こうとしたが、彼女の爪が軽く皮膚に食い込んだ。警告は明白だった。

『なぜこんなことに……』

周囲には政財界のエリートた...

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