第4章

鈴木会長の承認を得たというのに、離婚の手続きはなかなか進まなかった。

景野は間違いなく事態を把握している。本来なら、すぐに飛んで帰ってきて条件闘争を始めるべきところだ。

だが、彼は動かない。まるで他人事のように別宅での生活を続けている。

私は焦っていなかった。法律は明確だ。別居期間が二年に達すれば、彼が同意しようがしまいが、こちらから一方的に離婚を請求できる。

ただ、鈴木家がそこまで事態を放置するとは思えない。

彼らは傍観を決め込むような真似はしないだろう。

景野さえ応じれば、離婚届に判を押すだけで終わる話なのだ。

だから私は待つことにした。

彼が戻ってきて...

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