第6章

美咲視点

近くには、暗い表情を浮かべた正雄さんが立っていた。彼の視線は、私に回された圭の腕と、半分破れた私のイブニングドレスとの間を行き来している。

彼の目には、私たちがたった今……そんな風に映っているに違いない。

『違う! 見たままじゃないの!』

「正雄、これはあなたの考えているようなことじゃないの!」私は慌てて圭さんを突き放し、説明しようと試みた。

けれど圭は手を離さず、それどころか、私の腰をぐっと引き寄せた。

「おや、甥っ子じゃないか」圭は驚いたふりをして言った。「どうしたんだい、こんなところで、私たちはただ……おしゃべりをしていただけだよ」

彼の指が私の頬を撫で...

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