第111章 君に約束する、もう離婚しない

彼女の研究成果が盗まれたのは、やはり研究所の中に内通者がいたからだ。

その女はこそこそと金庫の前まで来ると、まず暗証番号を打ち込んだ。何度も試すが、開かない。

警報が鳴るのを恐れたのか、女はその場にしゃがみ込み、眉間にしわを寄せて必死に考え込む。

しばらくして、スマホを取り出し、どこかへ電話をかけた。

何を話したのかは分からない。だが通話を切った瞬間、女の目がぱっと光り、もう一度番号を入力する。

今度は――金庫が開いた。

そこまで見て、藤井心海の疑問はすべて繋がった。

昨日、研究所へ駆けつけた時から引っかかっていたのだ。金庫にこじ開けられた形跡はなく、オフィスも一応は整っている...

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