第118章 父の指が動いた

藤井愛美が相変わらず聞く耳を持たないのを見て、酒井蒼真は彼女の腕を乱暴に掴み、そのまま外へ引きずり出した。

……いったい、藤井愛美はどうやってここを突き止めたのだろう。

今の住まいは誰にも教えていない。それなのに、まるで住所を知っていたみたいに、迷いなく辿り着いてきた。

放り出されてもなお、藤井愛美は泣き叫びながら「帰りたくない」と喚き続けた。

酒井蒼真は扉をバンッと強く閉め、頭を抱える。

――どうすれば、藤井心海の心を取り戻せる?

今日、いちばん見られたくない場面を、彼女に見られてしまった。悔やんでも悔やみきれない。

だが、ここで引き下がるつもりはなかった。

藤井心海を、誰...

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