第125章 身に覚えのない父親

藤井心海が研究所に戻ったばかりのところで、教授と少し話しただけなのに、藤井愛美からの電話が追いかけてきた。

彼女の言ったとおりだった。藤井愛美は、確かに妊娠していた。

ただし時期が早すぎて、医者ですらいくつも検査を重ねて、ようやく判明したレベルだという。

市販の検査キットなんかじゃ、まず反応は出ないだろう。

『藤井心海、あんた本当に神!』

電話口で藤井愛美が甲高く叫ぶ。

『言ったとおりになった! 私、ほんとに妊娠してた!』

『酒井蒼真の子よ! これで、あいつも私と結婚しない理由なんてなくなった!』

藤井心海は、胸の奥でそっと息を吐いた。

よし。重婚の成立に必要な要素は揃った...

ログインして続きを読む