第131章 帰国できるようになった

藤井心海は手際よく荷物をまとめた。その間に、松本淳太はすでに警察へ通報を入れている。

キャロラインが出国しようとすれば、警察が真っ先に止められるようにするためだ。

もっとも、その情報提供者が誰なのか――松本淳太は警察に一切口にしなかった。

藤井心海と藤井愛美の間では約束している。たとえ事件を解決できたとしても、藤井愛美だけは絶対に巻き込まない、と。

藤井心海と松本淳太が大急ぎで病院へ駆けつけたとき、父はベッドの上で目を開けていた。

瞳にはまだぼんやりした迷いが残っている。それでも、その光景は藤井心海の胸を強く揺さぶった。

「……お父さん!」

叫ぶように呼び、駆け寄る。足元がもつ...

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