第135章 味方の足を引っ張る

藤井心海は、掌にじっとり汗がにじんでいるのを自覚した。

自分があれだけ時間をかけて積み上げてきたものが、最後には他人の手柄として飾られるなんて――そんな結末、想像したこともなかった。

ましてカトリ博士は、研究所でもっとも支持され、尊敬を集めてきた人物だ。その彼が、いまや何のためらいもなく、彼女の研究成果を自分のものとして抱え込んでいる。

藤井心海が立つはずだった場所に、あまりにも堂々と立ち、メディアの取材を受けている。

挙げ句、カメラに向かって言い放った。

研究成果は、自分ひとりの功績だと。

――どうして、そんなことができるの?

藤井心海の拳が、ゆっくりと固く握り締められる。

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