第143章 新たな旅立ち

松本淳太は答えなかった。ただ、口元がわずかに弧を描く。

「君が思ってるより、ずっと早い」

藤井心海はそれ以上追及せず、向き直って計測機器のモニターを見た。けれど、さっきまでみたいに全身を張り詰めさせてはいない。午前4時半、最初のデータが出た。

曲線はなめらかで、推移も安定している。想定どおり――完璧に。

藤井心海は画面をじっと見つめ続け、やがて、そっと息を吐いた。

松本淳太が歩み寄り、彼女の背後から一瞥する。

「成功か?」

「第一段階はね」藤井心海は言った。「でも、あと六段階ある。しかも各段階、三回ずつ検証が必要」

「一つずつやればいい」

藤井心海が振り返る。彼は近かった。...

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