第145章 大団円

藤井心海は答えなかった。身を戻して窓の外へ視線を投げる。けれど唇の端には、ほんのわずかな弧。

疑ってなどいない。むしろ、信じ切っている。

それから三時間後。

小倉宗介がようやく新しい分子モデルの再構築を終えた。

「藤井社長、推導完了です。データ構造も安定しています。毒性も副作用も確認されませんでした」

藤井心海は端末の前へ歩み寄り、表示された結果を上から下まで一度だけ丁寧に追う。

「印刷して。臨床チームに回して」

「了解です」

小倉宗介はデータを抱え、足早に印刷室へ向かった。

実験室に残ったのは、藤井心海と松本淳太だけ。

藤井心海は手にしていたファイルを閉じ、机の上に置く...

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