第27章 退勤後に一杯飲む?

あのときの彼女の目に宿っていたものを、彼は今でもはっきり覚えている。

悔しさ。怒り。諦めきれない気持ち。抗う意志。

そして、ほんのわずか――助けを求める色。

松本淳太は寝返りを打ち、顔を枕に押しつけたまま、長く息を吐いた。

何年も前。学校で初めて心海を見た日のことが、ふいによみがえる。あの頃の心海はポニーテールの小さな女の子で、白衣を着て実験室に立っていた。瞳は星みたいにきらきらしていて。

その瞬間、思ったのだ。この子は、きっと将来、とんでもなく立派になる――と。

その後、彼は海外へ出て、連絡は途切れた。たまに同級生のグループチャットで耳にする程度だ。心海は結婚した。幼なじみの酒...

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