第50章 アドリアン

実験室の正式メンバーは六人。そこに藤井心海というインターンが加わって、計七人になっていた。松本淳太と坂本教授のほか、F国出身の研究員が三人、そしてD国から来たポスドクが一人。

心海はまだ言葉を勉強中で、日常会話ならどうにか回る。けれど専門的な議論になると、どうしてもついていくのがきつかった。

その点、皆の英語力はそれなりに高い。意思疎通で困ることは少なく、空気も悪くない。

その日も彼女はいつも通り、実験廃棄物の処理をしていた。手順としては、研究員がその日に出たバイオ廃棄物を各自で密封し、ラベルを貼って所定の場所に置く。それを心海がまとめて回収し、滅活ルートへ流す。

全員の廃棄袋は規格...

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