第55章 緊急救援

松本淳太が異変に気づいたのは、午後1時だった。

藤井心海と約束していたレストランで、30分待っても彼女は来ない。メッセージを送っても既読にもならず、さらに30分。嫌な予感を押し殺しながら、淳太は心海に電話をかけた。

――電源が入っていないか、電波の届かない場所にいるため……

無機質なアナウンスに、心臓がぐっと握り潰される。

心海が電源を切ることなんて、あり得ない。

彼女の携帯番号は国内の病院の緊急連絡先と紐づいている。父親に何かあった時、連絡が取れなくなるのを、彼女は何より恐れていた。

淳太は椅子を引く間もなく立ち上がり、心海のマンションへ向かった。

インターホンを何度押しても...

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