第6章 うわべだけの態度

「心海、行くな。俺が悪かった……本当に、すまない」

「酒井蒼真、何してるの。放して」

酒井蒼真は聞く耳を持たず、心海をきつく抱きしめた。彼女がどれだけ身をよじっても、腕はほどけない。耳元で何度も、同じ言葉を擦り切れるほど繰り返す。

「……こんなに長い間、一緒にいたじゃないか。俺が、お前を手放すわけないだろ」

「お義父さんのことは俺が悪かった。これ、持っていけ。何があっても、お義父さんの治療を止めさせない」

そう言うなり、酒井蒼真は慌てた手つきでポケットから小さな薬瓶を取り出し、心海の手のひらへ押し込んだ。

怒りで頭が熱くなっていた心海は、それを見て息を止める。――父のための特効薬...

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