第66章 監禁

酒井蒼真は車を停めると、藤井心海のバッグを手に降りた。後部座席のドアを開け、彼女の腕をつかんでそのまま家の中へ引きずり込む。

玄関の灯りが点いた。白い光が、薄く埃をかぶったリビングの家具を浮かび上がらせる。空気には、長いこと人が住んでいない家特有の湿った黴の匂いが滲んでいた。

「……ここ、どこ?」

藤井心海の声は、まだ崩れていない。

「母が昔、F国で買った別荘だ」

酒井蒼真は扉を閉め、鍵を回して内側から施錠する。

「何年も使ってない」

藤井心海は振り返り、彼を見た。

「酒井蒼真。私をここに連れてきて、何がしたいの? 私、本当にちゃんと話し合おうとしてる。興奮しないで。落ち着い...

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