第72章 同居

酒井蒼真は立ち上がると扉口へ歩き、声をぐっと落とした。

「愛美。今すぐ病院で処置してこい。会議が終わったら、俺が迎えに行く」

「行かない! 今すぐ一緒に帰って! じゃないと私――」

酒井蒼真は彼女の腕をつかんで、そのまま外へ引っ張り出した。会議室の扉が背後で自動的に閉まり、最後まで言い切れなかった脅しの言葉を、ぴしゃりと遮断する。

会議室が静まり返ったのは、ほんの三秒ほど。

次の瞬間、ひそひそ声が堰を切った水みたいに溢れ出した。

「今のが藤井愛美……?」

「前に噂になってた、あの浮気相手って……」

「噂通り、相当ヤバいな」

「酒井先生、なんであんなのと……」

「酒井先生、...

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