第85章 藤井夫人、自業自得よ

「ごめんね、お父さん。こんなに長く、ひとりにしてしまって」

「全部、私が手配したつもりだったのに……それでも巻き込んでしまった。本当に、ごめんなさい……」

「でも、もう二度と、こんなことは起こさせない」

病室の前に立った藤井心海は、胸の奥でそっと言い聞かせた。――泣かない。簡単に涙をこぼさない。

たとえ父には聞こえなくても、親子だ。血がつながっている。想いはきっと届く。

……それでも、堪えきれなかった。

あれほど苦しんでいる父。病院の外に出ることすらできないのに、事情も知らないネットの連中に、理不尽な罵声を浴びせられた。

いまは誤解だと分かったとしても、心海の胸の痛みは消えない...

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