第87章 国外へ送り出して身を潜める

藤井愛美はこの数日、いいように振り回されて、正直たまったものじゃなかった。

自分ひとりが痛い目を見るだけならまだしも、藤井家だって無傷じゃない。株価は下がりに下がり、底が見えはじめている。

このままじゃ、藤井家の価値なんて紙くず同然だ。

ぶっちゃけ、売ろうにもろくな金にならない。

父も母も最初は藤井愛美の味方だった。けれど会社まで巻き込まれた途端、顔色が変わった。慌てふためいた挙げ句、彼女を無理やり藤井心海のところへ連れて行き、謝らせようとしたのだ。

藤井愛美が素直に従うはずもない。

だからこそ、彼女は保険をかけた。

藤井心海に「条件」を言わせ、そこを録音して、逆に恐喝だと訴え...

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