第9章 彼女の肩を持つ

藤井母は、突然踏み込んできた侵入者にぎょっとして、すぐに顔を強張らせた。

「誰よ、あなた。誰が入っていいって言ったの」

「先生の学生です!」

宮本有紗は心海の前に立ちはだかり、噛みつくように言い返した。焦りと怒りで声が跳ねる。

「先生、さっきまで二時間以上の大きな手術してたんです。こんな状態で休ませもしないで……それどころか、どうしてこんな目に遭わせるんですか」

そして有紗は酒井蒼真へ向き直り、まっすぐに視線を刺した。そこにあるのは問い詰める色と、裏切られた失望。

「酒井主任。先生の旦那さんですよね。守るって、こういうことなんですか」

その一言は刃だった。狙い違わず、この場にい...

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