第96章 謎の叔父

もしかしたら、そのせいで――あの謎の大富豪は寄付に応じたのかもしれない。

「いいことじゃないですか」

藤井心海はふっと微笑んだ。

「寄付してくださる方がいるなら、嬉しいに決まってます。断る理由なんてありません。ただ……せっかくのご厚意ですし、お名前だけでも伺って、きちんとお礼をしたいですね」

「私も同じ考えだよ」

教授はうなずく。

「金はどこからともなく湧いてくるもんじゃない。これだけの額を出してくれたんだ、こちらも礼は尽くしたい。だが……名前が残っていないんだ」

藤井心海は眉を寄せた。

「それは確かに、厄介ですね」

このご時世、匿名で寄付する人は珍しくない。むしろよくある...

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