第97章 これは何の叔父さんだ

もしこの男が本当に自分の叔父さんだというなら、同じ国の出身のはずだ。なのに、どうして「君たちの国」なんて言い方ができるのだろう。

藤井輝大は一瞬だけ表情を止め、申し訳なさそうに笑った。

「すみません。海外が長いと、つい自分の生まれた場所の感覚が抜けることがあって」

「そんなに驚かなくていいよ。あなたもF国に長くいれば、私みたいになる」

「それはどうでしょうね」

藤井心海はその言い分に首肯しかねたが、それ以上は深追いしなかった。

「叔父さん。今日は、何の用で?」

藤井心海は無理やり「叔父さん」と呼んだ。舌に引っかかる。

藤井家であれだけ長く過ごしてきて、叔父の存在など一度も聞い...

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