第5章

「どうしてそんなことが可能なんだ?」

「イゾルデだ――セレンから起き上がったばかりの、あのイゾルデだ」

「イゾルデは何か月も病院で脳死状態だったじゃないか。それなのにセレンがあいつの顔を映して、ハーグローブ家と遊んでるって?」

「被害者じゃない。追い詰められて、もう現実的な手段が尽きた雌オオカミだ」

 群衆の糾弾は容赦なかった。

「血筋のない雌オオカミは、いつだって裏がある。最初からそう言ってきた」

「術は最大出力まで上げても犯人を見つけられない――だってセレンが犯人だからだ」

「群れの保護施設で育ったオメガだ、家族も忠誠も根もない。そりゃ自分にすべてを与えた雌オオカミだって売...

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