「白無垢」

髪がまだ濡れていた。毛先から水滴が落ちて、朔のシャツの胸元に小さく滲んだ。

朔は気にしなかった。祈をベッドに下ろすとき、壊れやすい何かを扱うように、動作が慎重だった。

しかし次の瞬間には身を傾けて覆いかぶさり、熱い息が鎖骨の上に落ちてきた。

その急くような気持ちは伝わった。浴室からずっと高まり続けていた、抑えきれなくなりつつある熱だった。

祈は手を伸ばし、下へ滑ろうとする彼の手をしっかりと押さえた。

「妊娠初期はだめ」の声は低いが、はっきりしていた。甘えた口調ではなかった。「赤ちゃんに良くない」

朔の動きが止まった。祈の手に自分の手首を押さえられたまま、その手の甲を数秒見つめた。そ...

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